理学療法士ゆーやの健康@見聞録

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【健康のために考える③】高齢者の問題、身体的フレイルの予防と改善【一般の方もセラピストも】

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こんにちは。ゆーやです。

いつもブログをご覧頂きましてありがとうございます。

 

昨日は大学のセンター試験だったのですね!受験された皆さんお疲れ様でした(^-^)

 

前回の記事では身体的フレイルを含めた、フレイルの分類について記載しました!

 

yuya-hanamaru.hatenablog.com

 

そして今回は身体的フレイルをどの様に予防できるか、改善していくのかについてまとめたいと思います。

 

身体的フレイルをチェックするための項目についても以前の記事をご覧ください。

yuya-hanamaru.hatenablog.com

 

 

 

 

 

身体的フレイルへの適切な対応による予防効果

 

この身体的フレイルですが、これまでの研究によると悪化の一途をたどるわけではなく、適切に対応する事で身体機能や生活能力の向上、フレイルからの脱却を図る事ができると言われています。

 

適切な対応とは、身体的フレイルの背景にある要素

に焦点を当てて行動をすれば良いとされています。

 

実際にオーストラリア、シドニー大学のカメロンらが2003年に発表した報告では、フレイルと判断された216名に対して上記のフレイルの要素を標的に在宅での介入を12ヶ月実施しています。その結果、歩行や筋力の向上、身体活動量の増大などを実施した介入グループにおいて、通常のサービスのみを実施した対照グループと比較して、有意な改善が認められています2)。 

 

「でも、そんなのどうしたらいいの???」

「専門的な知識がない自分たちでできるものなの!??」

 

と疑問の声が聞こえてきた気がしましたが、、、

その通り、この研究での介入は理学療法士等が関与して実施されたものです。

 

でも、筋力低下に対する筋力トレーニング(筋トレ)だったり、体重減少に対する食事管理は当該の方、もしくはその周りの身近な方が関わる事でできない事はないかもしれません。

 

今回は筋トレに焦点を当てて簡単に説明できればと思います。

 

頑張りすぎなくてもいい?高齢の方でもできる筋トレの方法とその効果

 

筋トレと言ったら皆さんはどの様なものを想像するでしょうか。

 

 

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↑こんな感じでおっっっもい重りを持ち上げたりしてすごくキツイ事をしないといけない、そんなのできない、、、。

と思いますよね。

 

確かに、筋トレは一般的に重量を重くしてしないと効果はないのでは?と認識されていると思います。

 

過去にその様な研究もされており、アメリカのタフツ大学のフィアタロンらが1990年に報告した内容は、虚弱高齢者でも最大筋力の80%の高負荷で筋トレをする事で筋力向上、歩きの速さが向上したと方向しています3)

 

しかし、高負荷での運動はキツいために続かない、精神的負担も大きいだけでなく、疼痛が生じる、心臓への負荷が大きいなどのリスクも伴います。

 

でもここ最近は、高齢者は低負荷でもいいよー、効果あるよーという内容の研究がされております。

2016年にオーストリアインスブルック大学のクスパオらが2016年に方向したメタ解析(※質の高い研究を集め、統合して結果を解析したもの。エビデンスが高いとされる。)によると、

最大筋力の30%といった低負荷の運動であっても、高負荷のものには劣るけど筋力向上効果はあると結論づけられました。

そしてそのために大事なのは負荷だけでなく、セット数、反復回数をかけた量を考慮する必要であると言ってます4)

 

アスリートや成人が対象かもしれませんが、筋トレについてとても詳しくまとめられている本「科学的に正しい筋トレ 最強の教科書」著者の庵野拓将(あんの たくまさ)先生のブログ「リハビリmemo」に記載されている内容が高齢者の方にも適応できるかもと考えています。

www.rehabilimemo.com

 

 

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↑ これはどちらかというと若い人向けかなと思いますが、

理学療法士の人や、筋トレ好きな人はぜひ見てみてください!

僕もこれで勉強しながら筋トレしています!またその経過を報告させてください!笑 

 

話が逸れましたが、

効果的なトレーニングのために推奨される水準は下記の通りです。

  • 期間:50〜53週間(約1年程度)続けること
  • セット数:2〜3セット
  • セット間休憩:60〜120秒
  • 頻度:週に2回(個別の筋肉で考慮するといいです)
  • 1セットでの回数:7〜9回の反復
  • 動作1回の時間:6秒(ゆっくりすること)

 

 

これを意識しながら、これまで運動をされていた方は応用して、されていなかった方は始めてみてもいいかもしれません。

これらの研究はどちらかというと、健常高齢者を対象としているので、信頼性的にはフレイルの予防という形で捉える方がいいかもです。

  


 

あと、家族にフレイル疑いの方がいる時には、ぜひ一緒にやってみてくださいね。

 

体調不良やバランスの取れた食事に注意して実施する様にしてください。

 

実際の運動項目等については機会がありましたら記事に書きますね。

 

理学療法士の方は運動療法をする時に参考になると思います。

 

それでは今回はここまでにします。

 

最後までご覧頂きましてありがとうございました。

 

これからも有益な情報を発信して皆様の健康のために寄与できればと思っています。

よかったら、ブクマ、読者登録お願いします!!(^-^)

 

なお、今回の記事は下記の本を参考にしながら書いてます。

 

リハビリに関わる方などはぜひみてみてくださいね。とても勉強になりますよ。

 


 

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参考文献:

(1)牧迫飛雄馬. 老年健康科学 運動促進・知的活動・社会参加のススメ. HUMAN PRESS. 2019.

(2)Cameron ID, et al. A multifactorial interdisciplinary intervention reduces frailty in older people: randomized trial.BMC Medicine. 2013 ;11:3-10.

(3)Fiatarone MA, et al.High-intensity strength training in nonagenarians. Effects on skeletal muscle.JAMA.1990 ;Jun 13:263(22):3029-34.

(4)Cspo R, et al.Effects of resistance training with moderate vs heavy loads on muscle mass and strength in the elderly: A meta-analysis.Scand J Med Sci Sports 2016: 26: 995–1006.