【雑記・JPTAニュース2019年12月号】人生100年時代、長く健康に働く
本日2つ目の記事ですが、これは軽く見て頂けたら嬉しいです。
理学療法士の皆様、理学療法士協会の会報誌である「JPTA NEWS」には目を通される事がありますでしょうか?
よく何ヶ月かに1回、日本理学療法士学会の学術誌「理学療法学」とセットになって届くあれです!笑
今月届いた分で少し心に残った部分がありましたので、少し呟かせてもらいます。
Cross Talkというコーナーで「人生100年時代、長く健康に働ける社会へ」というテーマで、経済産業省の江崎禎英氏、筑波大学の山田実先生、大阪急性期・総合医療センターの岡原聡先生の対談です!
はじめから心に響いた会談がありました。
引用させてもらいます。
施設に入所しているお年寄りは、「朝起きてから寝るまで、何をするにも『ありがとう』を言い続けなければならない」と言うのです。
夜介助してくれるスタッフに「生きててごめんね」と言ってベッドに入るのだそうです。
お年寄りは、本当は「ありがとう」と言われたいのです。
スタッフがお年寄りに「ありがとう」と言ってもらおうと思ってあれこれ世話を焼くことを戒める言葉でした。
小さなことでも良いのでお年寄りが役割を持つことで、誰かから「ありがとう」と言ってもらえる環境が大切なのだと教えられました。
上記の文面は自分の仕事中を振り返って見ても、意識していない部分で少し衝撃的でした。
しかし、本当にそれでやはり人は誰かの役に立って「ありがとう」って言われるのが一番だと思いました。
これ読んでから、最近は患者さんに「ありがとう」と伝える事も多くなりました。笑
ちなみにこの記事は「シ高住(仕事付高齢者向け住宅)」に関する江崎氏の提案についてのコメントでした。
①病気にならないよう予防する、
②仮に病気になっても重症化させない、
③治療や介護が必要になっても社会と切り離さない、
ことだと思っています。
頑張らなくても健康になる仕組み作りは重要です。
山田:確かに、運動だけでなく、近隣の方や友人との交流には健康を維持・増進するような効果があると思います。
体操を主体としたもの、趣味活動を主体としたもののどちらも介護予防に有用であることが分かっています。
【健康のために考える】身体虚弱(フレイル)について知って、予防する事で健康寿命を長く保つ!【対象:一般の方、セラピスト】
本日も記事をご覧いただきましてありがとうございます。
突然ですが皆さんにお聞きします。
→ いつまでも健康でいたいと思いますか?
→ 健康のために取り組まれていることがありますか?
僕は目標として100歳まで元気に過ごしていたいなと思っています。笑
なので、長く健康でいるためにどう過ごせばいいのか勉強を続けております。
ところで、「フレイル」という言葉はご存知でしょうか?
英語にすると「Frail」なのですが、日本語に訳すと「虚弱」という事になります。
フレイルを有する高齢者は転倒や生活の中での自立度が低下していくなど様々な健康状態に影響を及ぼすとされています。
今回はこの「フレイル」についての知識を少し持って帰って頂けたらと思います。
①フレイルとは
誰しも時が経つと年齢を重ねていきますよね! これに伴い高齢期においてストレスに対して弱くなり、不健康を起こしやすい状態をフレイルといいます。
② どういう人がフレイルなのか?(フレイルの判定)
判定には下記の項目のうち、3つ以上該当することとなります。
また、1〜2つの該当では「プレフレイル」とする事があります。
そして上記を元に2016年度に提言された、基準値を定めたフレイル評価基準では下記の通りとなっています2)。
✔︎これに知り合いやご自身が当てはまらないかどうか確認する事も大事かと思っています。
③フレイルがもたらす悪影響
フレイルを有する65歳以上の高齢者の割合は概ね10%前後と言われています。
フレイルを有する高齢者では将来の転倒の発生や日常生活能力の低下が起こり、入院や死亡の危険が高くなるとされています!
④フレイルの治療、予防の重要性
平成28年の国民生活基礎調査(厚生労働省)によると、介護が必要となった要因の第1位は認知症(24.8%)で、次いで脳血管疾患(18.4%)、高齢による衰弱(12.1%)となっております3)。
高齢による衰弱は主としてフレイル状態を示していると思われます。
なので、高齢期でのフレイルの予防は重要です!
あと、フレイルと判定すると、そのまま悪化の一途をたどるわけではなく、適切に対応する事により身体機能の向上、さらにはフレイルからの脱却が可能である事が期待されています。
そのために運動等実施していくのです!
今回の記事はここまでです。
今後は実際にどうのように対応していけば良いか、理学療法士の私が知る情報をセラピストだけではなく、一般の方にもタメになる情報を続けて発信させて頂きたいと思っています。
これらが皆様の健康、そして日本の元気につながれば幸いです!
最後までご覧いただきましてありがとうございました!
参考文献:
(1) 島田裕之. フレイルの予防とリハビリテーション. 医歯薬出版株式会社. 2015.
(2) 公益財団法人長寿科学振興財団.健康長寿ネット.https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/frailty/shindan.html(最終閲覧日:2020年1月15日)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/(最終閲覧日:2020年1月15日)
脳卒中の方を担当になった!歩行の予後予測はどのように考えようか!? 【論文紹介】
今年は暖冬ですね。久しぶりに雪を拝みたいものです、、、(南国育ちなもので)。
ところで、皆さんはどのような施設、もしくは機関で働かれているでしょうか?
私は現在、回復期リハビリテーション病棟で勤務しています。
その中で何度も脳卒中の方を担当になった事がありますが、入院の時点で今後どのくらい回復するのか、理学療法の目標はどのように設定すれば良いか幾度となく悩んだ事があります。
職場の上司に相談する、過去の経験を基に考える、、、などして検討していくのですが、
エビデンスを基に考えるのも大事かと考えています。
今回、脳卒中の記事では歩行の回復を予測するための ”TWISTアルゴリズム” についての論文を紹介させて頂きます。
下記のような方はぜひ最後までご覧になってください。
◎若手の理学療法士で脳卒中患者さんを担当になった
◎ベテランの方でも経験を踏まえて考えたい
◎今後の予後予測を踏まえた上で作成する装具の種類に迷っている
◎実習生と担当患者さんについての情報を共有したい
論文タイトルの紹介:The TWIST Algorithm Predicts Time to Walking Independently After Stroke
著者:Marie-Claire Smith ら
雑誌:Neurorehabilitation and Neural Repair (Impact Factor : 3.757)
発表年:2017
内容:
【Abstract(要旨)】
本研究の目的は脳卒中発症後に対象者が自立歩行可能となるか、またはその時期を予測するためのアルゴリズムを探る事である。
【本文の内容】
イントロ:
脳卒中患者の歩行自立がリハビリテーションの期間や目標設定に影響を与える。
これまでに脳卒中患者の歩行能力回復を予測するための方法論についての研究はあるが、時期については検討されていない。
Methods:
(対象者) 脳梗塞、もしくは脳出血後の者でMotricity Index scoreが100以下、歩行監視、介助を要する者。
※ Motricity Index score = 脳卒中後運動麻痺に対する筋力評価
(評価) 発症3日後に下記の評価を実施。
- Neurologic impairment was assessed with the National Institutes of Health Stroke Scale (NIHSS)
-
Functional Ambulation Category (FAC)
-
Trunk Control Test(TCT)
- Motricity Index
- Medical Research Council (MRC) grades
- 経頭蓋磁気刺激 と 運動誘発電位
- MRI
(セラピー)
担当セラピストは評価結果について知らされていない。毎回の介入時間を記録。
(統計解析)
ロジスティック回帰分析を実施。
classification and regression tree (CART)による決定木分析を実施。これを基にアルゴリズム作成。
Results:
- 41人が対象となった(中央値72歳、範囲43-96歳、59%が女性)。
- 80%の患者が発症3日時点では歩行不可能であった。
- 歩行自立度を予測した評価項目はTCTとMRCの股関節伸展筋力であった。
- CARTによる決定木分析を基に ”脳卒中後の歩行自立までの期間(TWIST)アルゴリズム”を作成。これは95%正しく予測した。
Fig. 3:TWISTアルゴリズム
(Smith M,2017より著者作成)
※●印は各カテゴリで予測されたものに対しての実際の結果を示す。
Tab.3 :TWISTアルゴリズムの感度と特異度
(Smith M,2017より著者作成)
Discussion:
TWISTアルゴリズムは脳卒中患者の歩行の自立度を予測する。
本研究の限界としてはサンプルサイズが小さい事が挙げられる。
以下は私の意見です!
今回の論文で発案されているTWISTアルゴリズムの評価項目、TCTやMRCは臨床でも簡易的に実施可能でとても便利かと思います。(MRCは筋力評価MMTに似ています。)
実際に脳卒中の方の今後を考えて下肢装具を作成すべきか、どのような種類がいいかと考えるときに、目標を考慮した上でひとつ参考になるのではないかと思います。
当院の回復期リハビリテーション病棟では複数のスタッフ間で装具作成に関する話し合いである「装具カンファレンス」を実施していますので、そのようなときにも参照したいと思います。
回復期病棟に入棟された時には本論文の1週間以内の評価を行うのは難しいかもしれません。その際は急性期からの申し送り等を参考に考えるのもいいかなと思いました!
しかし私の考える注意点として、このアルゴリズムはひとつの指標であり、これが全てではありませんので、しっかりと対象者をみた上で個別的に目標の検討、介入をしていく必要があると思っています。
ちなみに、脳卒中の予後予測に関しては下記の文献もとても参考になります。
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兵庫医科大学の医師である道免和久先生が編集されている文献です。
脳卒中後の歩行に関する予後予測のみならず、上肢機能や脳画像による予測まで幅広く紹介されております。
私も脳卒中の方を担当になった際にはこの文献を毎回参考にしております。
よかったら手にとって目を通してみてください。
以上です。
長文でしたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。
皆様の臨床に役立つと嬉しい限りです。
それでは、また次回!!!
参考文献:
Smith M, et al. The TWIST Algorithm Predicts Time to
Walking Independently After Stroke. Neurorehabilitation and Neural Repair. 2017, Vol.31(10-11) 955–964.
犬猫を飼う高齢者の身体、心理、社会的特徴 【一般の方もセラピストも】
こんばんは!理学療法士ゆーやです。 本日の鹿児島は雨の中13000人弱が出場した、いぶすき菜の花マラソンがあり、うちの職場からも数名参加したみたいです。
皆さんお疲れ様でした^ ^
↑
祖母の家の愛犬・ミックと焼酎です。後ろの荷物は、、、ご了承ください。笑
ところで、皆さんも犬や猫を飼っておられますでしょうか?
とても可愛いですよね。
うちは祖母と伯母の家に1匹ずつ子犬がいます。暴れん坊です。笑
この犬や猫なのですが、飼って世話をすることで飼い主の健康面にも良い効果があるのはご存知でしょうか?
lifehacker様のサイトでも紹介されており、私自身とても勉強になりました。
URLは以下です。
ここでも少し紹介されていますが、私のような理学療法士にも関係のある内容がありました。
それは、犬・猫を飼う事で
「飼い主の運動量が増える点」
です!
これに関して、興味深い研究がここ日本でされていましたので、その論文の内容について少し紹介させていただきたいと思います。
国立研究開発法人国立環境研究所のTaniguchiら(英論文)が2018年に報告した研究です。
65歳以上の地域在住高齢者11233人を対象としている大規模なものです。
犬・猫を、、、
①今まで飼った事ない群=6377人(全体の56.8%)
②過去に飼っていた経験がある群=3311人(全体の29.5%)
③現在飼っている群=1545人(全体の13.8%)
に分けて、身体的、社会的、心理的な評価をして比較しています。
その結果、①の群と比較して②③の群は統計的に
◎運動能力が有意に高かった。
◎社会的な繋がり(隣人との関係など)が有意に良好であった。
◎主観的な幸福感が有意に高く、うつスコア(GDS)が有意に低い(うつでない)という結果であった。
という事が分かりました。
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以下は私の意見です。
やはり犬や猫をペットとして飼い、一緒に生活する事で飼い主の健康へ良い効果がありそうですね。
そういえば、私の祖母は83歳ですが、愛犬ミックとよく散歩をしており、四六時中触れ合っていて、
元気!!
これからも元気でいてください( ◠‿◠ )
皆様も動物好きな方で犬・猫を飼ってない方は検討してみては!また、すでに飼われている方はより一層大事にしてあげてください^ ^
それでは今回は以上です。
何かご意見等ありましたら、是非コメント頂ければ幸いです。
最後までご覧頂きましてありがとうございました!!
参考文献:
Taniguchi Y, et al. Physical, social, and psychological characteristics of community-dwelling elderly Japanese dog and cat owners . PLOS ONE. 2018 Nov;89(1):1-11.
パーキンソン病の方の歩行障害に対する外部刺激(聴覚刺激 等)は本当に効果があるのか?【論文紹介】
パーキンソン病では歩幅が狭くなる小刻み歩行や、足が出づらくなるすくみ足等の症状を呈する事があります。
セラピストの方は臨床においてパーキンソン病の方の歩行練習を行う際にリズミカルな音(手拍子等)や視覚的な刺激(床に線を引く)等用いることがあるのではないでしょうか。
学校や教科書等で習う内容でもパーキンソン病の方に音や視覚的な刺激を用いる事が勧められている事かと思います。
日本神経学会が2011年に出した「パーキンソン病治療ガイドライン2011」においては 「外部刺激、特に聴覚刺激による歩行訓練で歩行は改善する(グレードA)」 と記載があります。
※ ガイドライン=先行研究等をもとに治療の指針をまとめた文書。
※ グレードA=強い科学的根拠があり、行うよう強く勧められる。
パーキンソン病治療ガイドライン2011|日本神経学会治療ガイドライン|ガイドライン|日本神経学会
また、同学会が2018年に出した「パーキンソン病治療ガイドライン2018」でも運動療法は有効と示されており、 「パーキンソン病への音楽療法は、外部刺激により運動症状が改善することから注目されている。」 と記載があります。
パーキンソン病診療ガイドライン2018|日本神経学会治療ガイドライン|ガイドライン|日本神経学会
やはり外部刺激をパーキンソン病の方に用いるのは良さそうですが、臨床においてはどのような音でどういう時に用いたら、何に対して効果があるのか迷いませんか?
それに外部刺激を用いているときはいいけれど、その後の持続効果(外部刺激を取り除いても効果が持続するか)といった部分は皆さんも考えることかと思います。
聴覚刺激の有効性についてドイツ、ハノーファー大学のGhaiらは2018年にメタアナリシスの論文を発表しています。
※ メタアナリシス=複数の原著論文のデータをまとめた総説論文。エビデンスが高いと言われる。
論文タイトルの紹介:Effect of rhythmic auditory cueing on parkinsonian gait: A systematic review and meta-analysis.
著者:Shashank Ghai
雑誌:SCIENTIFIC REPORTS(インパクトファクター4.011 2018年)
発行年:2018年
内容:
【Abstract(要旨)】
◎パーキンソン病の方の歩行、姿勢に対する聴覚フィードバックの影響を分析するためにメタアナリシスを実施した。
◎1982人の対象者を含む50件の研究が選択基準を満たした。
◎結果として、歩行速度、歩幅にプラス効果があり、ケイデンスにマイナス効果があった。
【本文の内容(簡潔に)】
イントロ:
◎運動面に対する利益の根本的なメカニズムは多面的である。
※メカニズムについては後日、他記事にてまとめたいと思います。
◎パーキンソン病患者に対する聴覚フィードバックを含む外部刺激の有効性に関するシステマティックレビュー、メタアナリシスはこれまでにいくつかされてきているが、異質性を含み、統計解析が不十分である事が考えられる。
Methods:
◎データは歩行解析をしているランダム化比較試験、比較臨床試験を含む。
◎効果量はHedge’s gで報告。
→0 効果なし、− 負の効果、0.2 小さな効果、0.5 中等度の効果、0.8 大きな効果
Results:
◎50の研究中、46の研究でリズムカルな聴覚刺激は歩行向上に寄与した。
歩行速度に対する効果 (正の効果量→速くなる、負の効果量→遅くなる)
◎全体の研究をまとめたフォレストプロットによると小さな効果量があった( g: 0.23 , 95%信頼区間 : 0.1 〜 0.3, I2: 87.4%, p > 0.01)。
※I2は異質性を表す指標。
〜On時とOff時の効果量〜
On時には中等度の生の効果量、Off時には小さな正の効果量があった。
〜テンポの早さの違い〜
テンポの早さを早くすると中等度の正の効果量、遅くすると小さな負の効果量があった。
〜対象者のパーキンソン病発症からの期間の違い〜
9年未満では小さな正の効果量、9年以上では小さな負の効果量があった。
〜介入時間〜
20分の介入で大きな正の効果量があった。
〜介入期間〜
5週未満の介入で中等度の正の効果量、5週以上の介入で小さな正の効果量があった。
歩幅に対する効果(正の効果量→広くなる、負の効果量→狭くなる)
◎全体の研究をまとめたフォレストプロットによると小さな正の効果量があった( g: 0.42 , 95%信頼区間 : 0.35 ~ 0.5, I2: 85.05%, p < 0.01 )。
〜On時とOff時の効果量〜
On時には大きな正の効果量、Off時には小さな正の効果量があった。
〜介入期間〜
5週間以上、未満共に中等度の正の効果量があった。
〜介入頻度〜
週に5回以上、5回未満共に小さな正の効果量があった。
ケイデンスに対する効果(正の効果量→多くなる、負の効果量→少なくなる)
◎全体の研究をまとめたフォレストプロットによると小さな負の効果量があった事があった( g: −0.05 , 95%信頼区間: −0.13 ~ 0.03, I2: 93.6%, p < 0.01 )。
〜テンポの早さの違い〜
テンポの早さを早くすると大きな正の効果量、遅くすると大きな負の効果量があった。
その他
〜方向転換の所用時間〜
聴覚刺激の使用で大きな正の効果量があった。
Discussion :
本研究をまとめると、パーキンソン病患者の歩行能力向上を図るための聴覚刺激の使用は1日に最低20-45分、1週間に3〜5日間、対象者のケーデンスに対して±10%程度のテンポの変動を付加する事がいいかもしれない。
以下は私の意見です。
本論文より、歩行時に聴覚刺激を用いることは歩行速度などに対して良い効果がある可能性は高そうです。
しかし、冒頭に述べたように聴覚刺激を除いた後の持続効果だったり、対象者の属性、例えばパーキンソン病の病型(振戦型、固縮型)などへの反応の違いはどうなのか気になるところです。
また、外部刺激も用いる頻度には注意が必要で、時には除いたりして、その時にどの神経回路を使用して運動学習を進めるか考えながら介入する必要があるのではと考えています。
持続効果に関しては、ベルギーのカトリエケ大学のNieuwboerらが2007年に報告したRESCUE trialの内容が参考になりそうなので、また機会があったら紹介させて頂きたいと思います。
以上です。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
意見等ありましたら、ぜひコメントお待ちしております!
参考文献:
Shashank G, et al. Effect of rhythmic auditory cueing on parkinsonian gait: A systematic review and meta-analysis.SCIENTIFIC REPORTS . 2018 Jan;8(506):1-19.
はじめまして! 理学療法や健康に関する情報を発信するブログです。
はじめまして。
日本本島最南端の県、鹿児島で理学療法士をしている「ゆーや」です。
病院で臨床をしながら、大学院(保健学)の博士前期課程に通って研究についても学んでいます。
このブログでは、私の理学療法士の経験や知識を生かして、論文などの文献からのエビデンスも用い、リハビリ(特に理学療法)、健康に関する情報を発信していきたいと思っています。
というのも、日々の臨床や生活での疑問、考えた事、調べた事を記録に留めて置きたいという目的もあります!笑
しかし、その情報を理学療法士をはじめとするセラピストや、セラピスト以外でも健康に興味のある方が受け取って頂き、日々の臨床や生活のお役に立てれば嬉しく思います。
この記事で理学療法士という仕事を知らない方へ少し理学療法士について話させてください。
理学療法士とは厚生労働省が1965年に交付した理学療法士及び作業療法士法では
「理学療法」とは、身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。
と記しています。
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000168998.pdf
ここにあるように、主に 運動療法(=体を動かすことで症状の軽減や機能の回復を目指す療法)を用いて、健康を促す事ができます!
そして最近では対象が上記の「身体に障害のある者」だけではなく、予防の重要性も言われており、
「身体に障害のない者に対して診療の補助に該当しない業務を行う事ができる(略)」
と厚生労働省より発出されています。
なので、今後ますます日本のために、目の前の対象者の方のために勉強をしなければならないと思っております。
このような事もあり、そもそもの病気を予防する「健康」のための有益な情報も発信できればと思っております。
ぜひ理学療法士等のセラピスト以外の方も目を通して頂ければ幸いです(^ ^)
はじめから少し難しい話になってしまっていますが、今後更新をしていきたいと思いますので、ご意見等ありましたら是非コメントください!
それでは、宜しくお願いいたします!!!